・CMも印象深い出前館のマーケティング
出前館と聞いてみたらです。
ダウンタウンの浜田雅功さん。
ハマちゃんのCMも老若男女問わずウケていますよね。
出前館の認知度。
CM効果で高いんじゃないでしょうか。
そんな出前館の人が書いた新刊。
内容としても興味ありますよね。
急成長と言ってもいいくらいです。
ここ数年で一気に飛躍していきました。
出前館の秘密がわかるって意味でも読める1冊です。
書名:それっておかしくね? 「素朴な問い」から始める出前館のマーケティング思考
著者:藤原 彰二
出版社:ダイヤモンド社
出版年:2021年10月6日
ページ数:248ページ
再現性のない企画はいらない!
広告は税金じゃない!
リターゲティング広告になんで宣伝予算の半分もつっこむの?
鋭い言葉が並んでいます。
そして本書の巻末です。
CMに出演しているダウンタウン浜田雅功さん。
対談も収録されていると言う豪華な新刊を私なりの書評していきます。
・マーケティングのハウツーを「それっておかしくね?」の視点で伝えていく本
(P.5) 2006年から15年間にわたってネット広告やマーケティングの世界に身を置いていた僕が、マーケティングのハウツーを「それっておかしくね?」の視点でお伝えしていこうと思います。とはいえ、読者はマーケターの方だけを想定していません。組織を強くするマネジメントを知りたい方、今の日本型組織に疑問や不安を持っている方、コロナ禍の影響で業務内容や経営方針の変更に戸惑われている方、そしてなにより、日々変化するビジネス環境の中でたくましく生き残りたい方に向けて、書きました。
【目次】
はじめに
第1章:古い体質を一掃せよ!
第2章:デリバリー戦国時代に立ち向かう
第3章:「再現性のない広告はいらない!」 出前館のマーケティング
特別対談:出前館のCM制作の舞台裏 見市沖×藤原彰二
第4章:「それっておかしくね?」の原点
第5章:チャレンジする人が常に”正しい”
第6章:DX時代のフードデリバリー
巻末対談:浜田雅功×藤原彰二
おわりに
本書の概要と目次です。
はじめにで書かれていること。
出前館のCM。
企画時点では社内で猛反対に遭ったそうです。
理由としては想像が付きますよね。
ダウンタウンの浜田雅功さん。
出演料のギャラも相当かかりますよね。
通常の年間広告費の3倍かかるって言われたそうです。
しかし、3年間使う予定で設計しているから問題ない。
このように言い聞かしてCMがスタートしたそうです。
2020年8月のCM放映開始後。
出前館の認知率は57.2%から79.9%にアップしたそうです。
検索数も大幅にアップ。
会員数は582万人突破。
売上は昨年同期比3・1倍。
加盟店舗数は2・79倍も伸びました。
正直に言って私もCM前は出前館?
出前館の印象はまったく無かったです。
あれだけ浜田雅功さんに名前を連呼されるCM。
耳にこびりついて印象に残りますよね(笑)
冒頭から惹き込まれることが多く書かれている新刊を私なりの書評していきます。
(P.24) ありがたいことに、そういったユーザーファーストの提案に抵抗する加盟店はありませんでした(と、当該セクションの統括が言っていました)。それも当たり前で、実際にユーザーに接しているのは我々ではなく加盟店なのですから、ユーザーの使い勝手や満足度が向上する施策には、基本的に反対するわけがないのです。つまり、それまでの過剰な加盟店ファーストの姿勢はただの忖度でした。出前館は、縦割り組織を横串で貫いたことにより、”加盟店ファースト”から”ユーザーファースト”に舵を切ることができたのです。
利用者からしてみたらです。
加盟店との関係性は関係ありません。
忖度されて機能面が使い辛いなら使いませんよね。
他のサービスを利用したりするのは当たり前です。
もちろん、加盟店を大事にする。
加盟店の売上をアップするお手伝いをする基本方針は変わっていない。
ただ、以前の出前館が過剰に加盟店ファーストだったみたいです。
この辺りの横串を入れるのは言葉以上に実際にするのは大変だったと想像できますね。
(P.51) 「3強しか残らない」が日本にそのまま当てはまる一方で、日本市場の特殊性というもの確固として存在します。まず、日本におけるデリバリーは決して日常使いではなく、まだまだ「ハレの日の贅沢」としての利用が多いという側面があります。「出前は祝い事の時だけ」と決めている年長世代も、まだまだ多いのではないでしょうか。日本では昔から自炊信仰が強く、「出前は手抜き」といったイメージがついて回っていました。
正直に言って引用で書かれていること。
未だに私は出前についてその印象があります。
それにもう1つ、あくまでも私個人が感じていること。
出前を頼むのって少し敷居を高く感じます。
ウーバーイーツや出前館さんは都会の有名人。
有名人で使いこなしている人は多いですよね。
今の私が田舎に住んでいるのも影響しているかもしれません。
あとは性格的なところですよね。
注文するよりも店舗に直接行き購入する。
注文して待つだけは確かに便利は便利なんですよ。
ただ、注文するまでの流れだったり色々を考えてしまう。
受け渡しなども考えたら自分が店舗に行ったほうがいいな。
私個人はそのようになってしまう人間だったりします。
(P.79-80) COOである僕自身もそうでうが、ビジネス判断において気分的な「賛成・反対」は皆無です。数字が良ければその施策は続けるし、悪ければやめる。感情は一切入れない。それを全社員に徹底させるには、データが一部の人間だけが見られる、あるいは他部署のお伺いを立てないと見られないような状態ではだめです。なので、その業務に関わっている社員の誰もが見られるように開放しました。これにより、やる気のある社員の士気や業務の成果が、明らかに向上したのです。たとえば加盟店営業。加盟店の日々の売上が誰でも閲覧できる状態となったため、提案やフィードバックできる内容の幅が大きく広がり、データを活かした営業活動ができるようになりました。結果、部全体としてキャンペーン受注件数が大幅にアップするという成果が出ています。
人間は感情の生き物
どうしても感情に左右される。
だからこそデータの重要性。
データは裏切らないってことですよね。
数字が良ければ続ける。
数字が悪ければやめる。
判断基準としては明確だと思います。
ちなみに昔の出前館さん。
Googleアナリティクスのコンバージョン設定すらされてなかった。
2019年3月に入社してマーケティング担当者になった現取締役。
オンラインフードデリバリーサービスなのに呆れてしまったそうです。
こういうところから変化を起こしてきた。
ここ数年の躍進や認知度アップの裏側。
理由があるべくして出前館さんは有名になったんですね。
驚きの話で出前館さん自体は創業20周年の老舗ブランド。
「えっ!? 本当に!?」と驚く人もいると思うくらい数年間で認知度が凄いです。
(P.99) 営業先でも「浜ちゃんのCMでお馴染みの出前館です」と胸を張って説明できているようですし、「お願い営業」一辺倒ではなく、ある意味対等な関係でビジネスしましょうというふうなニュアンスで言いやすくなったそうです。CMが営業時の”武器”として生きているのです。お金はすごくかかりましたが、かけただけのことはありました。もしCMにここまでお金を使っていなかったら、そしてCMがあれほど話題になっていなかったら(それでも僕はさまざまな手段を講じますが)、今のような展開にはなっていなかったでしょう。とにかく、出前館が家族に自慢できる会社に生まれ変われて良かった。フードテックカンパニーとかなんとか言っていますが、実はこれが一番良かったことなのではないかと思います。
世間への認知度アップ以外。
社内についてのCM効果です。
著者である藤原彰二さんがCOOとして就任した当初。
社員のモチベーション調査をしたそうです。
「自分の働いている会社を家族や知人にどうやって説明している?」
その回答で多かった回答です。
ウーバーイーツと同じようなサービスをやっている。
これは外から見ている人は笑えます。
中の人から見たら危機感ある一大事ですよね。
古くからある出前館。
後から来たウーバーイーツで例えられてしまう。
その他の多かった回答。
家族や知人に話したことがない。
これも中の人としては悲しいですよね。
それを踏まえると出前館のCMの効果は絶大。
出前館で働いているって聞いたら浜ちゃんのCMでお馴染みの!ってなりますもんね。
(P.144) 僕はつねづね、マーケターの仕事の本質は「問題解決業」だと思っています。だから「仕事の問題を毎日必ず1個は解決しないと寝ない」というルールを自分に課しています。……という話をすると、「さすがアイデアマンですね」と言われるのですが、決してそうではありませんし、むしろそうは言われたくありません。アイデアは才能としてポンポン出るようなものではないからです。大切なのは、必死に考える努力だけは毎日怠らないようにすることです。常に、考え続ける。考えるのをやめない。頭の中にある疑問を無視しない、やり過ごさない。
1ヵ月に1度やる人。
1週間に1度やる人。
毎日1度やる人。
差が出てくるのは当然ですよね。
自分が上を目指しているなら毎日やるを徹底する。
必死に考える努力だけは毎日怠らない。
私自身もまだまだ常にって部分が不足している。
肝に銘じて「それっておかしくね?」って視点を大事にしていきたいです。
【それっておかしくね? 「素朴な問い」から始める出前館のマーケティング思考】
・マーケティング思考と出前館の裏側
【新刊】 出前館のマーケティング思考 藤原彰二のそれっておかしくね?でした。
出前館の躍進の裏側と言いますか原動力。
それに著者である藤原彰二さんのマーケティング思考。
2つの軸として本書を楽しむことができました。
巻末対談のダウンタウン浜田雅功さんとの対談も良かったですよ。