・トラウマ持ちのあなたへ捧げる優しい1冊
大小あれどトラウマがある。
トラウマ体験は持ってしまうもの。
それがトラウマになってしまうのか。
トラウマにならずに葬り去っていくのか。
トラウマ関連の書籍を読むと理解できます。
最初に「大小あれど」と書きました。
いや、本気で怖いから「大」という人がいたらごめんなさい(汗)
幼少期に犬に噛まれた経験がある人。
そこから犬が嫌いになった人。
別にその幼少期に犬に噛まれた経験はトラウマにならず犬が大好きな人。
どちらも存在しているんじゃないでしょうか。
それをトラウマにしてしまうのかどうなのか。
解消だけでなくメカニズムから知ることができる1冊を紹介します。
書名:本気でトラウマを解消したいあなたへ
著者:藤原ちえこ
出版社:株式会社 日貿出版社
出版年:2020年2月4日
ページ数:264ページ
出版日が私の誕生日。
とてもご縁を感じる1冊です。
現在トラウマで苦しんでいる人もいるはず。
私も大小で言えば小のトラウマを残している。
それを踏まえて知見を吸収させていただきました。
・どんな人でも今より楽になることは可能だと私は確信しています
(P.7) あなたが癒やされることは、可能です。ただ、間違ったセラピーや、普通の精神科に通い続けるだけでは、本当の癒やしは起こらないのも事実です。この本に書かれていることは、一見地味で当たり前のことも多いですが、ここに書かれた癒やしの大原則を知り、ここで提案していることに地道に取り組めば、どんな人でも、今より楽になることは可能だと私は確信しています。
【目次】
はじめに
[第1部:トラウマのしくみ]
第1章:トラウマってなに?~なぜトラウマ症状が起こるのか
第2章:トラウマの原因探しはいりません
第3章:トラウマが身体から解放されるサイン
[第2部:トラウマの実際]
第4章:解離~トラウマを受けたあなたに必ず知っておいてほしいこと
第5章:発達トラウマと、恥の感覚
第6章:子どもの頃、性的虐待を受けていたあなたへ
第7章:医療トラウマ
第8章:周産期トラウマ
[第3部:トラウマからの回復]
第9章:回復のために最も大切なこと その1~助けを求める
第10章:回復のために最も大切なこと その2~リソースを増やす
第11章:回復のために最も大切なこと その3~逃げる
第12章:あなたがこの世界に少しでも居やすくなるためのエクササイズ
第13章:回復の物語~一切のダイエットをせずに、1年間で40キロやせた真理子さん
第14章:良いセラピストとは~セラピストの選び方
あとがきにかえて
とても細かい目次項目。
はじめにの概要もわかりやすい。
トラウマを持っている人はいるはずです。
必ず助けになる1冊になるんじゃないでしょうか。
何と言っても項目が網羅されています。
仕組みから実際へから回復へ。
メカニズムを知ってから回復させる。
あなたの助けになる1冊になっていただければです。
私も読んでいて心が軽くなる1冊でした。
(P.22-23) トラウマは、それを引き起こす原因から語られることもあるし、トラウマを受けた後に起きる症状から語られることもあります。トラウマという概念は、複雑に説明しようと思えばいくらでもできる世界ですが、本書の目的は、トラウマの当事者であるあなたに、トラウマとは何かを理解してもらうことなので、ここではまず、トラウマをごくシンプルに定義するところから始めたいと想います。私は、トラウマは、(慢性、急性の)ストレスに対する人間の身体の自然な反応が、解消されずに心身にとどまっている状態だと考えています。
トラウマを解消する前にです。
トラウマのことを理解すること。
よくあるたとえ話で腑に落ちること。
おばけは正体がわからないから怖いという話。
おばけに限らず正体がわからないこと。
人は恐怖心や拒絶になってしまいます。
まずはトラウマのことをしっかり理解する。
そこから解消の道へ進んでいきましょう。
本書は丁寧に書かれているので安心です。
(P.23) トラウマというと普通、最初に挙げたような、非常にショッキングで明らかに命を驚かすような出来事だけを連想してしまいがちですが、トラウマを引き起こすかもしれない出来事は、無数にあります。実をいうと、トラウマは、その出来事を直接体験したかどうかにも、出来事の大小にも、必ずしも関係がないのです。
最初に犬に噛まれた話。
こういう「出来事」がトラウマになっている人もいる。
その話をしましたが、実際の出来事だけとは限りません。
これは震災のときに騒ぎになっていきました。
今ではテレビ局も映像を流す際に注意喚起するようになりました。
震災の映像を毎日のように流す。
衝撃的な津波の映像。
直接被災していない人がトラウマを引き起こす。
そこからトラウマになってしまった人もいるという話です。
直接じゃなくてもトラウマを引き起こす可能性はあります。
(P.27) トラウマは、「異常な出来事に対する、心身の正常な反応」だからです。異常なのは、あなたに危害を加えた相手であり、自然災害や事故であって、あなた自身ではありません。それを決して忘れないでくださいね。
トラウマは異常な出来事に対する心身の正常な反応。
この視点は本当に忘れはいけないことだと感じます。
トラウマを異常なことだと捉えてしまう。
そんな風に見てしまう人は多いかもしれません。
これは自分自身に対してもですが。
トラウマを持っている相手に対してもです。
苦しむ人がいるときに絶対に忘れないようしておきましょう。
しっかりトラウマに対する理解を深めること大切です。
(P.49) トラウマを癒やしたい人は、今日から「なぜ」という質問を自分にするのをやめてみましょう。そして、原因探しに使っていたエネルギーを、ちょっとだけ自分に優しくするために使ってみませんか。それだけで、あなたの世界が少しずつ変わり始めるかもしれません。
私の今年のテーマ。
軸と言っていいのは「自愛」です。
自分を傷つけているのは自分自身が大きい。
それを少しずつでもやめてもっと自分を愛そうになります。
「なぜ」という質問を自分にしてしまう。
私はなぜもしがちですがこちらです。
『なんでだろうな~』
ついつい、口をついてしまっていました。
自分を責めたり裁いてしまう。
それよりも自分を愛する方に注いでいく。
あなたの世界が少しずつ変わり始めるという言葉。
私にとっては「自愛」がその一環だと感じます。
【本気でトラウマを解消したいあなたへ】
・「本気」で自分を変えていく覚悟
【新刊】藤原ちえこ伝授 本気でトラウマを解消したいあなたへでした。
トラウマに対して知ることができる書籍。
過去にも何冊か読ませていただいています。
書評なので概要をわかりやすく最初を紹介しています。
後半の3部からのトラウマの回復の内容もとても良かったです。