・古市憲寿さんの視点は参考になる
本書は新書。
新潮新書です。
そしてコラムをまとめたもの。
古市憲寿さんの連載をまとめたものになります。
そちらに後日談としてコメントが新規で載っています。
私は前から古市憲寿さんの考え方が好きです。
この好きというのは「考え方の幅」という部分。
多様な価値観を得るときに参考になります。
本書を「そういう見方あるんだ!」と気づきを得られる人。
私は予想以上に多いかと思われます。
私の「好き」は「全面的に同意見」とは別。
だからこそ考え方の幅が好きな人を幅広くウォッチしています。
堀江貴文さん、箕輪厚介さん、落合陽一さん、メンタリストDaiGoさんなどなど。
好意的な人がいう建設的意見。
この人が言うんだったらと思うと受けとめやすくなります。
そして1人の意見に固執すると危険。
複数の人の意見を自分なりに咀嚼する。
その上で自分自身が判断する土台にもなります。
そこが全面的に同意見ではないということです。
私は私であり参考にしている人はあくまで参考。
いろんな価値観があるから楽しいし幅が広がる。
本を読んだりネットの文章からもたくさんの気づきを得ています。
本書の雑誌コラムは読んだことなかったので今回が初見です。
書名:誰の味方でもありません (新潮新書)
著者:古市憲寿
出版社:新潮社
出版年:2019年4月16日
ページ数:256ページ
正義の暴走に投じる一石。
私が本書の好きな部分。
何よりも書名です。
「誰の味方でもありません」が気に入りました。
私も基本的にこのスタンス。
好きな著者さんは先ほど挙げた人はもちろん。
古市憲寿さんだって該当します。
だからと言って「誰の味方でもありません」なんですよね。
箕輪厚介さんが炎上しているときも私は反応しませんでした。
書名から楽しい気づきを得られる新刊を私なりの書評します。
・炎上したいわけではありません
(P.6) 何でもタブーなく自由に言える。何か間違いがあったとしても、少しずつ修正していけばいい。それくらい鷹揚でいられる人を増やすことこそが、実はいい社会を作っていくコツなのではないかと思う。この本を読むことで、少しでも毎日が楽になったり、新しい気付きを得る人がいたら、とても嬉しい。
【目次】
はじめに
第一章:炎上したいわけではありません
第二章:意外と悪くありません
第三章:誰の味方でもありません
おわりに
本書の概要と目次。
私は新しい気づきを得ることができました。
視点として新しく取り入れよう。
こういう見方もあるんだと気づかされました。
(P.44) 翻って日本。スイカやパスモは普及しつつあるが、中国や北欧に比べれば圧倒的な電子マネー後進国だ。それは、お金のやりとりをお上に管理されたくないという潜在的な意識が関係しているのだろう。住基ネットやマイナンバーなど、日本は国家による国民の管理に敏感な国だ(Tポイントカードはあんなに進んで情報を差し出しているのにね。何となく企業のことは信頼しているらしい)。個人的には監視社会の議論とは関係なく、一刻も早く現金を廃止して欲しいと思っている。現金ほど衛生的に汚いものもないからだ。
2017年7月20日のコラムより。
そこを踏まえるとTポイントカード。
2019年現在の記事投稿時点の「先日」です。
個人情報の取り扱いでTポイントカードかなり炎上していました。
昔から個人情報について気にしている層。
まったく気にしない層っていますよね。
そして、古市憲寿さんが言う2つの視点。
Tポイントカードは少し前に炎上したのは書いた通り。
だから今は少し様相も変わってきているかもしれません。
とは言え、お国に管理されるのか企業に管理されるのか。
国家だと敏感だけど、企業だと差し出してしまう。
古市憲寿さんが仰るこの視点はあると思います。
そして、最後の部分も言われてみたら確かにです。
「現金ほど衛生的に汚いものもないからだ」
今まで色んなところを渡り歩いて手元に巡ってきた現金。
雑菌などが繁殖している可能性もあるわけです。
コンビニで現金を支払いおつりも貰う。
その手を洗わずにおにぎりやパンを普通に食べる。
気にしていない人は大多数でしょうしドキッとする話かもしれません。
(P.67-68) 人生100年時代とはいえ、一人の人間ができることなんて、本当にたかが知れている。だとすれば、この一生の後に、生まれ変わりがあると信じたほうが、心安らかに人生を送れるのではないか。「あれもこれもやらなくちゃ」と急がずに、今本当に興味のあることを優先して人生を楽しめばいい。今生がダメなら、来世があるとのんきに構えていればいい。問題なのは、生まれ変わりがなかった場合だ。「来世があると思って無駄に一生を過ごしたじゃないか」と言われても責任は取れない。しかし、本当に生まれ変わりがあるかどうかは死んでみないことにはわからない。「来世なんてなかったじゃないか」というクレームが届くことはあり得ないのだ。
私もこの考え方には賛同。
急かされるよりもまったり。
例え話で旅行の話がありました。
人生1度きりしか来れないかもしれない。
それでスケジュールを詰め込みせかせか急ぎ足でまわる。
それよりも別に来世があるさのスタンス。
地に足の着いた状態でのんびり歩きながら見る。
私も来世があるさで心にゆとりを持つ。
「今」を感じながらやすらかに日々を過ごしたいです。
(P.73-74) 「定番」とは、流行し続けているもののことだ。それは決して時代遅れの遺物などではない。「定番」をバカにする者は「定番」に泣く。たとえば、文字の読み書きはかれこれ6000年くらいブームが続いているし、株券も400年以上流行している。すっかり社会に欠かすことのできない定番だ。考えてみれば、どんな定番も初めは一時的な流行だったかも知れない。人類は、無謀な試みを試みを繰り返し、定番を増やしてきたのだ。だから僕も、間違いなく失敗するとあきらめながら、今年もハロウィン限定チョコレートに手を出すのだろう。そんなトライ&エラーを繰り返しながら、僕たちの世界は豊かで多様になってきたのだから(そんな大した話ではない)
定番とは流行し続けているもの。
この視点も言われてみたらそうです。
ジビエ料理がブームになる。
でも、豚や牛や鶏は永遠のブーム。
本当に美味いなら「定番になる」と仰っていました。
そのように考えると私の書いている「ブログ」です。
ブログも最初はブームだったじゃないですか?
ブログというサービスが流行っている。
今ネットでブログというものが的な報じられ方でした。
それが当たり前のように根付いています。
10代の中高生の人。
生まれた時から普通に存在するサービス。
ブログがブームからは違和感あるかもしれません。
それくらいブームから「定番」の位置づけに変化したと思います。
(P.111) 今は、何か大胆なことを言うと、すぐさま「エビデンス警察」に逮捕される時代である。しかしその「エビデンス」も、よく検証してみると、いくつもの条件の上に成立した暫定的な「答え」であることがほとんど。警察発表を鵜呑みのするのは危険だ。
全ての文章に「後日談」があります。
この引用部分は古市憲寿さんの後日談からです。
エビデンスというのも特定条件で成立した暫定的な答え。
「絶対」では無いわけです。
人間ってどうしても「バイアス」かかります。
他人に何かを言われたとしても鵜呑みにする必要は無い。
気になるなら相手の意見を咀嚼しながら飲み込む。
「出典」などを調べてみるのもいいかもしれません。
古市憲寿さんの「エビデンス警察」という言葉。
昨今のSNS事情を垣間見えて言い得て妙のニュアンスです。
(P.164-165) 「見た目」が大事なのはインターネットの世界も同じだ。たとえばツイッターやインスタグラムでは、アイコンが事実上の「見た目」の役割を果たしている。もしもアイコン診断士なんて人がいれば「顔写真をアイコンにしている学者は自己愛の強い自信家が多く、論争ばかりしている」「ネット右翼にアニメアイコンが多いのは自分に自信がないから。日本やアニメ世界に同一化したいのでしょう」とか、それっぽい分析をしていそう(あくまでも架空の診断士の意見です)。
見た目が大事なのはインターネットも同じ。
今年になってから私はアイコンを変えました。
1つ前に変えたときは反応がめちゃくちゃ薄い。
私としても使っていて違和感あるアイコンでした。
毎日、付き合うのがアイコン。
そこで変えてすぐだけど、思い切ってすぐ次のアイコン。
新しいアイコンに変更したらめちゃくちゃ評判が良い。
前のはとっつきにくそうだけど、今回のはかわいいなどなど。
親しみやすさやフレンドリーを感じていただけました。
だからアイコン1つでも気にしながらネット利用はした方がいいです。
【誰の味方でもありません (新潮新書)】
・多様な視点を取り入れることができます
【新刊】新しい気づき得られる古市憲寿の誰の味方でもありませんでした。
本書の視点はさすがでした。
古市憲寿さんのトゲトゲのキレのある言葉。
それでいて嫌味も感じませんし考え方として参考になる。
「誰の味方でもありません」という視点があるからこそだと思います。
本書を読んで古市憲寿さんの魅力に1人でも多く気づいてもらえたら嬉しいです。